頭痛
どのような症状ですか?
一言に頭痛といっても、風邪などの感染症のあとに生じる頭痛からくも膜下出血の頭痛まで幅広く頭痛を生じる病気はあります。頭痛を治療するためには、どのような頭痛で困っているのかを詳細に問診させていただかないといけません。また、一般的な頭痛以外の脳腫瘍で生じる頭痛やくも膜下出血による頭痛を排除しするために、可能な限り画像診断の併用をおすすめしています。
このため当クリニックでは頭痛の患者さんに対して
問診 → CTによる画像診断 → 画像説明と今後の知慮治療方針
という流れで対応しております。
また、1回の問診ではどの頭痛に当てはまるかわからないこともあり、その場合は頭痛ダイアリーなどを併用しながら何回かの外来通院で頭痛に対してアプローチを行っております。


頭痛の種類
片頭痛
全ての頭痛を片頭痛とおっしゃる方がおられますが、頭痛の多くは後にお話する筋緊張性頭痛であり、片頭痛はその一部です。また、名前からよく混乱されますが、片側におきる頭痛の全てが片頭痛というわけではありません。
特徴的なのは頭痛が生じる前にギザギザとした光や虹色の模様などが見えるといったものがあります。また、目の奥がズキズキするといった頭痛であるのが特徴的です。
治療としては、頭痛を収めるための薬と、頭痛の発作を抑制するための薬があります。近年、頭痛の発作を抑制する薬の進化が目覚ましく、とても良い内服薬や注射薬が発売されました。医師と相談して、治療方針を組み立てていきますよう。
筋緊張性頭痛
いわゆる肩こり頭痛です。頭の周囲の筋肉が筋肉痛になることによって生じます。疲れているときなどに生じやすい頭痛です。
症状としては頭全体が締め付けられるように痛くなったり、頭の後ろが重く痛いなどの症状が代表的です。
肩こり体操やストレッチ、投薬などで頭痛をコントロールしていきましょう。
神経痛・帯状疱疹
神経痛は突然のズキンとなるような痛みが数秒生じて、その後に痛みが消えるといった症状を繰り返す病気です。
帯状疱疹は、水ぼうそうと同じウイルスが皮膚の神経に痛みを起こす病気です。帯状疱疹は神経痛と同じような痛みではありますが、皮膚症状も伴ってきます。抗ウイルス薬を使用する必要がありますので、症状をみながら相談していきましょう。
群発頭痛
非常に強い頭痛が片側の目の周りからこめかみ辺りに出現し、15分から3時間程度で無くなります。同時に目が充血したり、涙が出たり、鼻がつまったり、鼻水が出たりします。あまりにも強い痛みのため、のたうち回る方もいます。発作は2日に1回から1日に何回も起きることもあります。
治療に関しては、片頭痛と同じような治療が有効な場合があります。症状を見ながら相談していきましょう。
脳脊髄液漏出症
主に交通事故や外傷などで体に強い衝撃が体に加わったあとから、脳の中にある脳脊髄液という液体が漏れてしまうことにより生じる頭痛です。特徴的には寝ていると楽で、歩行すると頭痛が悪化するという問診です。
この病気の特徴は、他院で脳の検査をして問題ないと言われても、この病名は当てはまることがあるという点です。
また、交通事故や外傷がかなり昔だと、患者さん本人も覚えておらず、問診でよく聞き出さないとわからないこともあります。
当院では、この病気を少しでも診断→治療につなげたいと思っております。他院でわからない頭痛でお困りの方は、一度受診を検討ください。
2次性頭痛
頭の病気が生じて頭痛が起きることをいいます。
代表的なものがくも膜下出血です。また、動脈解離でも頭痛が生じます。
くも膜下出血
ハンマーで殴られたような頭痛という表現が有名ですが、実際はそれほど強くない頭痛であったり、嘔吐で生じたりすることもあります。動脈瘤が破裂して、くも膜に出血するパターンが多いです。
くも膜下出血はとても有名な病気で、命に関わる病気です。迅速に診断して、治療を受けましょう。
動脈解離
椎骨動脈が有名ですが、頭の中の動脈が自然に損傷して頭痛を生じることがあります。こちらもパチンという音を伴って頭痛を生じる特徴があります。画像検査で診断して、治療を相談しましょう。
緑内障
目の圧が上がることにより頭痛を生じます。
副鼻腔炎
鼻の奥の副鼻腔や前頭洞というスペースにバイキンが入り込んで頭痛を起こすことがあります。抗生物質が有効なことがあります。