概要

脳脊髄液漏出症(のうせきずいえきろうしゅつしょう)は、脳や脊髄を包む硬膜に穴が開き、脳脊髄液(CSF)が漏れ出ることで起こる疾患です。髄液が減少することで脳が下がり、頭痛やめまいなど様々な症状を引き起こします。

症状

  • 起立性頭痛(立つと悪化し、横になると軽減)
  • めまい・耳鳴り・難聴
  • 視力障害・複視
  • 首や肩の痛み・こり
  • 倦怠感・集中力低下
  • 自律神経症状(動悸・発汗異常など)

原因

  • 外傷(交通事故、スポーツによる打撲、転倒など)
  • 日常動作(くしゃみ、咳、重いものを持つ動作など)
  • 医療処置(腰椎穿刺、硬膜外麻酔など)
  • 原因不明の場合もある

診断方法

  • MRI検査(FLAIR画像、造影剤使用)
  • RI脳槽シンチグラフィ
  • CTミエログラフィー
  • 腰椎穿刺による髄液圧測定

治療法

  1. 保存療法
    • 安静(横になって過ごす)
    • 水分摂取
    • 漢方治療
  2. 硬膜外自家血パッチ(ブラッドパッチ)
    • 患者自身の血液を硬膜外腔に注入し、漏れた箇所をふさぐ治療法
  3. 手術(まれに実施)
    • 漏出部位を直接縫合する方法

注意点

  • 頭痛が生じてから時間が経過した場合は、治療が困難になる場合があります。ぜひ、お早めに受診ください
  • 当院では、問診や画像検査で疑いがあった場合、まず診断的治療を行っております。その後に、確定診断としてCTミエログラフィーを施行することが可能です